あと2ヶ月もすれば、長男が7歳になります。
このブログを始めた当初より、暴力はかなり減りました。
まだまだ辛くなることも多いですが、とても成長を感じています。
そんな彼は【ADHD】と【自閉症スペクトラム】と診断名がついていますが、
かなり強めの【HSC】です。
というのも、生後すぐの赤ちゃんの頃から感じる不思議な「強い感受性」が、長男から見えていたからです。
長男は2歳前後から4歳代まで、
「褒められると」怒り泣きをし、“あまのじゃく”な言葉で突き返し、地面に突っ伏してシクシク泣いていました。
そして少し大きくなった今、やっぱり褒めると“あまのじゃく”な言葉でムスッとして突き返してきます。
稀に『言葉の本質を見抜く』気質が強いHSCにはこういう子がいるようです。
彼の言いたいことが、7歳目前となった今、私の中で点と点が繋がったHSCが求める「言われたい言葉など」をお伝えします。
『本質を見抜く』以前のブログ記事
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私自身が持つ『洞察力』の鋭さや、『直感力』の強さについて、自身で以前から不思議に感じていましたが、これもHSPであるからこそ、のようです。
そして長男は、赤ちゃんの頃から人をよ〜く見る子でした。
“ひといちばい敏感”な赤ちゃんマンガ
1つエピソードを。
昼寝は15分〜30分で毎回終了してしまう、2時間置きに激しくグズる細切れ睡眠男を、ようやく寝かしつけていました。
様々なことにかなり敏感な子だったので、細心の注意を払って起こさないよう、洗っていた洗濯物を(やっとの想いで)干し始めました。
私は、後ろを振り返らなくてもわかりました。
「あ、長男起きてる。」
寝息とか、気配とか、そんな感じで背中で気づきました。
そしてその長男は、泣いていません。
視線だけ私をジッと見つめているようでした。
私は背中で感じ取り、長男は何故か泣かずに私をジッと見つめ続ける。
私は笑いを堪えながら、気づいてないフリを続行しました。3分くらい…
でも、あのよく泣くおっぱいマンの長男が、本当に起きているのか?実は気のせいなんじゃないか?と確かめたくなり、そぉ〜っと振り返りました。
やはり、私のことをジッと見つめていました。
そして目があった瞬間、わざと泣き顔を作って「フンギャー!」と泣き出しました。
生後5〜6ヶ月くらいだったと思います。
洗濯物を干せない哀しさよりも、面白さが勝った瞬間でした。
他にも、寝かしつけて…そぉ〜っと離れる…この一連の流れで、パッと目を開けて「なんでどっか行くねん。」と言いたげな目で見つめられることが、数回ありました。
普段は激しい「フンギャー!」ですが。
夜の寝かしつけ中も、私が寝かしつけたいと思えば思うほど寝ずに一晩中泣き続け、
「いいんだよ〜眠っていいんだよ〜」という自己暗示を心の中で唱えていると、時間は掛かりますが、寝てくれることが増えました。
「心を見透かされている」この感覚は、赤ちゃんらしい赤ちゃんであった次男の時には全く感じませんでした。
そして始まる「褒められたくない症候群」
以前の『本質を見抜く』記事でも書いた通り、2歳前後から「褒める言葉」が上っ面だと、泣いてボイコットし始めるようになりました。
上っ面というのは
「すごいね」「えらいね」「賢いね」等です。
ついつい口から出る「褒め言葉」。
しかしこれらは今の“褒め育児ブーム”でも使い方によっては危険な言葉と認識され始めてきました。
これらの上っ面の褒め言葉は、
「何が」すごくて
「何が」えらくて
「何が」賢いのか
子どもには全く伝わらない言葉です。
この言葉たちを多用することで、子どもに以下の問題が出てくると言われています。
・褒められないと自信が持てない
「褒められ依存症」・褒められることを目的としてしまう行動を示す
・失敗を恐れてチャレンジ出来なくなる子どもになる危険性がある
・モチベーションが低下する
と言われています。
CHECK!上手な褒めポイントとは?・成果より、努力や経過に言及する
・子どもの行動を実況して声掛け
・具体的な内容を褒めましょう
・子どもが求めているものは『評価』ではなく『共有』である
結果ではなく、「頑張ってる姿」を褒めることで、その「途中経過=プロセス」を頑張れる子に育っていくと言われています。
長男は泣いて私に教えてくれていた
2歳〜4歳頃の長男。
私が「すごーい!」「かっこいい!」と言うと、急に口をへの字にして、涙を溜め、そのままうつ伏せになるか仰向けになるか倒れ込み、
「すごくない!!!」
「かっこいくない!!!」
と怒って泣いていた長男。
私に「その褒め方間違ってんで!」と教えてくれていたのだと思います。
しかし私は、「なんてあまのじゃくな子だろう」と思ってしまい、数年間気づいてあげられませんでした。
以前の
【HSP/HSC】は洞察力がある?“物事の本質を捉える力/見抜く力”を授けてもらった - 発達凸凹BOYとの日常で、一度気づいたのですが、1年経って更に詳しく理解(わか)ったのです!
そしてここ最近で、私は褒められ嫌い?な長男の“ツボ”を数点発見したので共有します。
以下3点にまとめてお伝えします★
【その1】褒められ嫌いなHSCの“ツボ”
CHECK!上っ面褒めをやめる。
そして、子どもが“どや顔”してきた時だけ使う! ベストセラーの著書「自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方」によると、この上っ面褒めを「おざなり褒め」と呼びます。
長男は2歳すぎから、ただ全ての“褒め”に対して泣いていたわけではありません。
この上っ面な褒め方を欲するとき、つまり、受け入れる時がありました。
それは、長男から「褒めてアピール」をしてきた時です。
今の長男で言うと…
お風呂掃除してピカピカにしたよ!
(必ず、自分でやりたくてやった時)
この『どや!』の時に
「すごーい!!★☆」を欲しています。
この、『自らの考えで行動して、自ら“完璧”だったと思えた時』が肝です。
完璧主義思考のHSC/HSPは、自分へのハードルの設定がとても高いのです。
周りに優しいのに、自分に厳しく、内側を責めやすい性質を持ちます。
(著書『HSC子育てあるある うちの子は ひといちばい敏感な子!』より)
周りから見たら及第点でも、本人は納得していません。
そのため、「すごいね」という言葉は、「もっと頑張らなくちゃ」「本当にすごくならなくちゃ」というHSCにとっての『プレッシャー』に変わってしまいます。
自分が「すごい」と感じる出来ではない、または、自分は「すごい」と言われる為にやってないのに!…という、言葉の持つ奥深さに生まれつき敏感なのです。
また、親がしてほしい行動を増やすためのコントロールをしようとしている事にも、HSCは気づいています。
長男はこれに無意識的に気付いて、今でもよく泣きます。
私も「言葉の持つ奥深さ」に敏感であり、『言霊』を非常に信じています。
同じHSC/HSP仲間なのに、気づくのにかなり時間が掛かりました…。
【その2】褒められ嫌いなHSCの”ツボ”
CHECK!言葉は要らぬ。抱きしめよ。
POINTは、自分(大人)から抱きしめてはいけないと思っています。
大人は、両手を大きく広げ、満面の笑みで子どもを見つめます。
このポーズは「おいで」ですよね。
長男が自ら進んでお料理をしてくれた時や、次男の面倒を見てくれた時など、長男の名前を呼んで、このポーズをします。
そうすると長男は満面の笑みで抱きついてきます。
そして、膝をついた姿勢でゆ〜ら、ゆ〜ら揺れたり、背中に回す手に力を入れて“ギュッ”としたり、ポンッ…ポンッ…と赤ちゃんにトントンするように、優しく背中を叩いたりします。
そして「〜してくれてありがとうね。お母さん嬉しかった〜。」と長男だけに聞こえる声で、甘〜く優し〜く言います。
むやみやたらにコメントしない、というのは『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』にも記載がありました。
それよりも抱きしめるだけでもいいと書いてあるのを見て、
特に長男の場合、確かに言葉の羅列よりも、満面の笑みでのハグやヨシヨシの方が、ずっとずーっと、効果が絶大だったことを思い出しました。
ハグをすると、相手の心が満たされていくことが伝わってきます。
まるで
ホイミやケアル(回復呪文)をかけてあげているかのように、HPが満タンになるのを感じます。
【その3】褒められ嫌いなHSCの”ツボ”
CHECK!自己肯定感を最大級に高める言葉
「ありがとう」
以下は、最近の長男にあった2つのエピソードです。
①いつもおフザケしてしまうプール教室で、『今日は先生の言うことを聞けて、本当にすごかった!えらかった!』と、付き添いの夫は長男に言いました。
すると長男は悲しそうに俯いて「すごくないし…」と言いました。
②先日、主人の叔父のお葬式がありました。
年に1〜2回しか会わない親戚達と会うと、長男は毎回走り回ったり、動き回ったり、床に寝そべって転がったり、かまってくれる人にパンチしたり、暴れたり、赤ちゃんになってハイハイを始めたり、赤ちゃん言葉で甘えてきたりと、落ち着かなくなります。
久しぶりに会う人会う人がいると、大体こうなります。
刺激を異常に受けやすい子なので、脳が過刺激状態で興奮してしまい、居ても立っても居られないのでしょう。
幸い、葬儀場のロビーには他のご家族もいなかった為、(止めると癇癪を起こして酷くなるので)待ち時間は自由にさせていました。
しかし、名前が呼ばれお葬式が始まった途端、本当にすーごく!!大人しくしてくれました。
2歳の次男は暴れまくり、ずっと何か喋ってるし、勝手にウロチョロする…。お坊さんの傍に行くし、何やらかんやら触ろうとするし、私のスーツがヨレヨレになるくらい追いかけ回しました。
しかし長男は、お経から始まり、お花を添えるのも、棺を支えるのも、全て周りをよく見て、時々小さな声で「どうしたらいいの?」と助けを求めながら、叔父を弔ってくれました。
先程まで、右往左往に走り回っていた長男や、たまに会う時の普段の暴虐無人な長男を知ってる義兄夫婦が「えらかったね」「さっきのはすごいな〜」と口々に言いました。
私も咄嗟に出た言葉が 「ホンマ、すごかったなぁ!」でした。
言ってすぐ、本心ですが内心「あっヤバい…」と思いました。
長男は、やはり傷ついたように下に俯いて「すごくない…」と言いました。
義兄夫婦が「え〜?すごかったよ〜?」と言うと、今度は顔を赤くして顔を歪めて「すごくない!!」と怒り始めたので、「そうだね〜」と言って一旦なだめました。
そして、お葬式の話の続きです。
…あーあ、また出たあまのじゃく…とその時は思って、私がいつも通り、周りにフォローを入れました。
その翌日、私は『HSCの子育てハッピーアドバイス HSC=ひといちばい敏感な子』の明橋大二先生のオンライン講演会を受けました。
HSCについては少ししか触れられていない内容だったのですが、“いくつになっても子どもが言われたら嬉しい言葉”の1位が
「ありがとう」でした。
講演会を聞きながら私は頭の中でビビッと結びつきました!
「間違えた!昨日は「ありがとう」を言わなくちゃいけなかったんだ!!」
そうです。
次男に手を焼いていた私に気遣ってか、気遣ってないかはわかりませんが、
正しい言葉は、
「叔父さんをきちんと見送るお手伝いをしてくれて“ありがとう”」
でした。
決して「大人しくしたことがエライ」わけじゃないんです。
そこを褒めて欲しいわけじゃない。
長男は、「周りを見て、自分が今やるべきこと」を自ら行動しただけなんです。
そこに「すごいね」という言葉は、間違ってました。
そこに気が付き、夜のお風呂の中で
「あのさぁ、お母さん昨日のことで、イチに謝らなことがあるねん。
昨日イチがお葬式したあと、みんなが褒めたあと、「すごくない」って言ったやんか。
お母さん言葉間違えてた、ごめんね。
イチには「ありがとう」って言わなアカンかった。
「お葬式、叔父さんのこと見送ってくれるお手伝いしてくれてありがとうね。イチがいっぱいしてくれたから、叔父さんも喜んでるやろうし、お母さんも助かった!ホンマにありがとう〜」
こういうと長男は、満面の笑みで頷いて抱きついてきました。
『正解だよ!』と言ってもらえた気がしました。
プールでの話では、
「今日は、イチが先生のお話をちゃんと聞いてから、とても上手に泳げていて『誇らしかった』なぁ。
今日のプール教室は先生のお話を大人しく聞いてくれて『ありがとう』。
お父さんすごく『嬉しかった』!」
と言えば良かったかもね、とアドバイスしました。
まとめ
本当に『褒められ嫌い』な子、そして大人もいません。
長男も大人の声掛けに対し、
“言葉で上手に伝えられないけれど、なんだか嫌な褒められ方だなと気づいてしまう”ため、泣いたり、怒ったり、あまのじゃくになったり、癇癪を起したりと、掛けてあげる言葉のストライクゾーンが非常に狭い子です。
言葉の本質を見抜くHSC。
長男のように
「その上っ面な褒め方はやめて」
と行動で示す子もいれば、
心の中で
「この大人の褒め方は、上っ面しか見てないから嬉しくない」
と思う子もいます。(私がこのタイプ)
HSCだけでなく、子ども達をみんなが
『僕(私)を褒めるときは、僕(私)をちゃんと見て。僕(私)が今欲しい言葉をちょうだい!』
と感じているように思います。
さいごに
「ありがとう」は
『自分は(社会から)認められている』
『自分は価値のある人間だ』
と思わせてくれる、
最高の自己肯定感爆上げ言葉です。
よかったらお子さんへの声掛けを、「ありがとう」に変換できる言葉がけを探してみてくださいね。
お読みいただきありがとうございます。
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