知的障害を伴わない自閉症スペクトラム障害(ASD)と、HSP/HSP(とても敏感な人/子ども)は、併存するのでしょうか?
自閉症スペクトラム障害(PARS-tr=24点)と一度は診断されていて(現在ADHD診断有)、更にかなり強めのHSC気質の息子を見ていて感じた疑問です。
- はじめに
- 自閉症スペクトラム障害とは?
- HSCとは?
- HSP/HSCとASD(自閉症)は真逆の性質です
- HSCとASD(自閉症)は併存するのか?
- 我が家の長男はHSCでありASD!?
- 発達検査(DQ)
- HSCチェック結果
- さいごに
はじめに
私は専門家でも医師でもない考察が好きなだけの一母です。
担当医師、発達支援センターの担当心理士さんや作業療法士さんのご意見、様々な本を読んだり、インターネット上の正しいと思った物を織り混ぜた個人の見解を載せています。
こういう意見もあるんだな~と俯瞰的に見ていただけたらと思いますので宜しくお願い致します!
自閉症スペクトラム障害とは?
精神医学的障害の名称
- 社会的コミュニケーションや社会的相互作用における持続的な欠陥
- 興味が限定的、行動が反復的、または活動の様式
- ASD児童は限定的な行動に特別な興味を持ち、変化に抵抗し、仲間に合わせて社会的状況に反応しないことがある。
- 日常的な習慣を邪魔されると強い不安を感じる(程度は人により差はある)
- 易刺激性。
- 攻撃性、自傷行為、かんしゃくなど気分と感情の不安定性感覚刺激に対する反応
- 多動と不注意
- 不眠
(wikipediaより)
HSCとは?
Highly Sensitive Child(ひといちばい敏感な子)
心理学的な気質の名称(概念)。
障害名ではない。
大人はHighly Sensitive PersonでHSPです。
HSC(HSP)の特性
処理の深さ(Depth of processing)
感覚データを通常よりはるかに深く処理する。
刺激を受けやすい(Overstimulated)
感覚的に敏感である五感や、人の感情や雰囲気から自身の内部に入り込まれ受ける刺激が非HSPに比べ強い。
疲れが蓄積され不機嫌や体調不良などにつながりやすい。
嫌なことだけでなく、楽しいことでも刺激が多すぎると疲労になる。
感情的反応性・高度な共感性(Emotional reactivity and high Empathy)
共感力が高く感情移入しやすい。HSPは生まれたときから境界を持てないケースがあり過剰同調性のために自身と他者との問題を自身の問題として同一しやすい面もある。
些細な刺激に対する感受性(Sensitivity to Subtle stimuli)
人や環境における小さな変化や、細かい意図に気づきやすい無意識的あるいは半無意識的に環境内の些細な事柄を処理できる能力から、しばしばHSPは発達障害などに近い要素や面を持つこともあり生まれ持ったもの、発育環境要因による性格として捉える場合と、全く異なる違った見解をする事が専門家にも必要である。
(wikipediaより)
HSP/HSCとASD(自閉症)は真逆の性質です
HSP/HSCは他人の気持ちに敏感すぎるあまり、自分のことのように感じてしまう共感性の高い気質。
ASDは他人の気持ちを理解するのが難しい(共感性が低い)ため、コミュニケーションが円滑にとれない社会性に問題がある脳機能障害。
HSCとASD(自閉症)は併存するのか?
HSPの提唱者のアーロン博士も『HSCとASDは全く別の気質だから併存はしない』と仰っています。
アーロン氏のHPにASDとHSCについてアンサーが書かれています。
http://hspjk.life.coocan.jp/FAQs.html
要点をまとめました。
アーロン博士の見解~ASD~
- 社会的なシグナルを読み取ることが難しく、その時々の必要性に対処できなかったり、一つの刺激に固執する。
- ASDの子供たちは感情をコントロールすることが、ほとんど、あるいはまったくと言っていいほどできません。
- ASDが激しい感情表現を取る理由は、感じた刺激を、”常に”適切に処理できないからである。
- ASDが比較的ひとつのことに夢中になる。
- 幼い頃からすでに目立った問題があり、その問題が家庭でも学校でも同じように見られた。
- 人と人との間で交わされる感情的なサイン、例えば他人の共感といった好意的なサインを認識することが難しい。
アーロン博士の見解~HSC/HSP~
- 刺激過多にならない限りは、社会的なシグナルを読み取ることができる。
- 非HSCの子供たちよりも激しい感情を見せることがある。しかしそれは、刺激過多になった場合にだけなる。
- HSP(HSC)はいま周りの状況がどうなっているか、総合的に見る能力を持っている。
仮にそれが自分と直接関わりがなかったとしても、その状況を理解することができる。
- HSP(HSC)は想像力がきわめて豊かで、興味を持つ対象も幅広い。
- 他の人たちから、あなたのお子さんの行動を懸念する声はあまり聞かれない。
- その行動に納得のいく理由がある。
→刺激を減らしたいと思っている、その行動の原因となっている過去の経験がある、騒々しかったり競争させられるような環境で仕事したり生活したりするのを避けたがっている。
アスペルガーのHSC/HSPならいるかもしれない?
アーロン博士はASDとHSC/HSPの併存はないと仰ってますが、このページの最後に、もしかしたらアスペルガーのHSC(HSP)もいるのかもしれませんと締めくくっておられます。
我が家の長男はHSCでありASD!?
発達凸凹な部分
診断された日の過程はこちらに記載しました。
長男の『育てにくさ』を感じる部分です。
- こだわりが強い、頑固、諦めない
- 「何かを始める」時は自分なりのパターンがあり、崩されるのを強く嫌がる
- 未だにある頻繁な癇癪
- 刺激過多による多動(発表会などはふざけてしまう)
- 気負わなくていい両親がいると、たがが外れたように多動になる
- 父と母と弟にだけ衝動的に手が出る(ADHD?)
- 聴覚過敏気味(特定の音に異常に怖がる)
- 視覚優位
- 易刺激性
- 気に入らないことがあると乱暴になる(家のみ)
- 失敗すること、負けることを強く嫌がる
- 自分の世界があり、一緒に遊びにくい
- できないと思うと諦めがち(失敗が怖い)
- 乳児期から偏食
- 生後から睡眠障害
- 発語が遅め
- 発達はゆっくり
- 人は好きなのにコミュニケーションが下手(適切な言葉のキャッチボールができない)
- 話が自分の好きなもの関連だと、こちらの話を聞かずに一方的にたくさん話し始める
- 手先が不器用
- おもちゃはやたらきれい並べることがある
- その際は少しの乱れも気になる
- マリオや、ちゃれんじなどをする時は、関連する物を全て並べたがる
- 一人遊びが得意で好きだけど、気の合うお友達には自ら誘い掛けることもあるらしい
- 刺激過多になると独り言が多くなる
- 気持ちの切り替えが超がつくほど苦手(特に楽しい刺激からの切り替え)
- ボディイメージが確立していない(身体の左右が未だに解らなくなるときがある)
- 興奮しやすい
- 空間認識が甘い (どこまで身体を動かしたら近くの物体に当たってしまうかがわからず、よく肘でどつかれる)
- 感情のコントロールが苦手
- 指示やお願い、注意など誰かに従うことを極端に嫌がる
- 同年齢の子どもより優しい大人と遊ぶときの方が安心する
- 初めての場所や久しぶりな人に会うなど、興奮すると気持ちを抑えられずに走り回ったり、注意が聞けなくなる(嬉しい気持ち)
なんとなく重複してる所がありますがこんな感じで脳の発達の偏りがかなりあります。
ただし、純粋なHSCではなく、HSS型HSCだと、似たような「育てにくさ」を感じるようです。
www.hattatsu-decoboco.com
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発達検査(DQ)
幼児の発達検査ではDQという発達指数を測るのですが、
DQ70以下が知的障害認定となります。
認知DQ89
言語DQ98
結果はDQ91でした。
認知力が独特で未発達、認知と言語の差が開きすぎているとのことでした。
母からみてHSCだと思う部分
- 強い刺激がなければ多動にならない
(母から見たら些細な刺激でも、本人には強く感じるようだ)
- 共感性が高い(共感してもらうことを強く求める)
- 人の感情に敏感すぎるほど敏感
- 誰かが傷つく、蔑まれる、責められる、恥ずかしい思いをするようなアニメのシーンは見ないように逃げる
- 悲しいことを考えると涙が目に溜まる
- 悪い雰囲気をすぐに察知し、仲を取り持ったり気遣いを見せる
- 物を擬人化してストーリーをつけてお話しすると感情移入する
HSCチェック結果
HSCチェックリストより当てはまるものです。
- びっくりしやすい(ビビり)
- 服によってはタグのチクチクを嫌がる
- 驚かされるのは好きだけどめちゃめちゃ怖がる
- しつけは強い罰より優しい注意の方が効果ある(怒った口調だと「恐いから優しい声で言って・・・」とぐずつきながら言われる)
- 親の心を読む(赤ちゃんの頃からそんな目線で見てくる)
- いつもと違う匂いに気づく(1日母が使ったマスクの匂いを嗅いで、「お母さんの匂いがする♪」と嬉しそう)
- 興奮したあとはなかなか寝付けない(旅行とその翌日はすごかった)
- 大きな変化に上手く適応できない(登園渋りがひどくなる)
- たくさんのことを質問する(「if」な質問の数がえげつない)
- 服が濡れたり、砂がついたりすると着替えたがる
- 完璧主義である(絶対負けたくない、負けたら泣く。トミカは色と種類と分けて並べないと気が済まない)
- 誰かがつらい思いをしていることに気づく(昔から泣いている子がすぐ目に入るようで、気にする)
- 静かに遊ぶことを好む(おままごと大好き男子)
- 考えさせられる深い質問をする(あとでGoogle先生に聞こうねはよく言う)
- 痛みに敏感である(3歳ころに子供包丁でケガしたことを未だに言って恐怖から包丁を持つのを嫌がる)
- うるさい場所をいやがる(耳を塞いで悪態をつく)
- 細かいことに気づく(保育園の先生方にも言われる)
- 石橋を叩いて渡る(初めての事に物怖じしやすい
- 人前で発表するときには知っている人だけの方がうまくいく(保育園の発表会や運動会は父母の姿を確認するとおふざけや多動が酷くなるので、人前は苦手と思われる)
- 物事を深く考える(特にネガティブな事は深く考えて質問責めになる)
5歳現在、23項目中20個当てはまりました。
ちなみに当てはまらなかった3つは
- 年齢の割に難しい言葉を使う
- ユーモアのセンスがある
- 直感力がある
でした。
当てはまらなかった3つについてはこちらに!
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さいごに
結構、ASD(や発達障がい)とHSCは似た部分や被る部分がありました。
だから、「どっちだろう?」と悩んでしまいますよね。
男性は隠れASDが多いと聞いたことがあります。
軽度のASDであれば、子どもの時の環境要因や社会性の勉強(ドラマを観るなど)や処世術により、目立ちにくくなるのではと思いました。
アーロン氏は「男の子のHSCは刺激過多になると多動になる子が多く、女の子は注意を集中し続けるのが難しい子が多い」と仰ってます。
カテゴライズしづらい長男を、結局どっちなんや!と白黒つけたくなりますが(私も白黒思考です)、これもこの子の性格、気質、一つの個性なのだと受け止めておおらかに子育てをしたいと思います(*^^*)
ここまでお読みいただきありがとうございます。
参考著書
- 作者:エレイン・N・アーロン
- 発売日: 2015/02/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
HSCの子育てハッピーアドバイス HSC=ひといちばい敏感な子
- 作者:明橋 大二
- 発売日: 2018/06/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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