発達凸凹BOYとの日常

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発達凸凹BOYとの日常

特別支援学級『インクルーシブ教育の闇』/メリットは?LDの子にとってはどんな対応をする?

我が家の長男イチも、ついに小学2年生になりました。

毎朝の登校渋りも落ち着きましたが、今でも毎日門まで付き添い登校しています。
前後に子ども乗せて毎朝自転車通勤中!

自転車くん、リアチャイルドシートくん、頑張れ!

そんな彼は1年生の頃から【特別支援学級=支援級】に在籍しています。

そして、小学校は話題の【インクルーシブ教育】を取り入れた学校です。

そして私自身、インクルーシブ教育育ちでした!

1年経過したので、支援級のメリット・デメリットや、インクルーシブ教育について解説していきます!

特に「LD(学習障害)の子」にとっての支援級の是日を書いていきます。

特別支援学級とは?

支援学級 支援級 小学校 インクルーシブ教育 発達障害

教育上特別な支援を必要とする児童および生徒のために置くことができる1学級8人を上限とした学級である。

対象となる障害は

・弱視
・難聴
・知的障害
・肢体不自由
・病弱・身体虚弱
・言語障害
・自閉症・情緒障害

の7種類となります。

長男イチは『自閉症・情緒障害』として支援級に在籍しています。(なにかの書面にも記載してありました→曖昧〜)

長男の通う公立小学校はインクルーシブ教育。自治体がインクルーシブ教育を推奨しています。

インクルーシブ教育とは?

人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会「共生社会」実現のため、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組み。

簡単に言うと、障害児も定型発達児も、クラスを別にせず、同じクラスで授業を受けたりする教育制度のことです。

例えば、医療ケアが必要な車椅子に乗った児童も、同じクラスにいて授業を受けたり給食を食べたりなど、共に生活することで、子どもたちにとって「これが社会の“当たり前”であること」を教えられるメリットがあります。

法律に沿って1クラスに8人の発達障害児童がいたら、その教室エライことなりますで…



インクルーシブ教育のメリットは?

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インクルーシブ教育のメリットはなんでしょうか?

定型発達児の「障害」への偏見がなくなる

これが国が言う一番のメリットですね!

大人になれば、様々な人々に出会います。
それが『世の中』であると。

子どもたちが、大きくなってもそれが当たり前の世の中であると理解するために、必要なことかもしれません。

同じ自治体に生まれ育った私は、長男を産むまで『発達障害』というワードも知らずに生きてきましたが、「恐らくインクルーシブ教育受けてたんだろうな」と大人になって気付きました。

そのため、必ずしも「障害への偏見がなくなる」訳ではないと思っています。

やはり、小学校中学年頃のある程度大きくなると障害を持つ子に差別用語を使い、排除する流れも出来てきました。

私は差別用語や悪口は胸が締め付けられて嫌いだったので言いませんでしたが…。

一つ下の弟は、軽度知的障害と自閉症を持っています(数年前に判明)が、やはり同級生より良いように扱われたり(ゲームの借りパクの横行など)、軽いイジメのようなこともありました。

もしかしたら、私の地域は治安が悪かったからかもしれません。(^_^;)

長男の学校は治安が良く、のびのびした学校なので、そんなことはないと願っています。

支援級児童もみんなと同じが嬉しい

長男は特に「人が好き」であるため、同学年くらいの児童と「お友達」になりたいのです。

あまり人の名前を覚えられませんが、関わりたい、遊びたい気持ちはひといちばい強いです。

休み時間は元気いっぱいお友達と遊んでいるようで(サッカー難しい…とできない自分を責めて弱音は吐きますが)楽しんでいるようです。

通常学級の子の思いやりが育まれる

支援級の子は言わば『困ってる子』です。

授業中に声を出してしまう、歩いてしまう、寝そべってしまう、先生のお話が理解できない…
これが顕著に出てしまう子は周りのサポートが必要です。


困ってる子を助けようとしてくれる、優しい思いやりの心が育まれていくでしょう。

先日放送されたTBS「報道特集」が話題になりました。
知的障害を持つ子が周りのお友達に支えられ、『友達』として仲良く遊ぶ姿が印象的でした。

インクルーシブ教育の理想の姿でしたね。

支援学校に通えない児童の救済措置


私は、裏の事情…つまり『本当の事情』はこれではないかと思っています(笑)

特別支援学校の先生は、教員免許の他、特別支援教員免許が必要です。

支援学校へ通えるのは一握り。
支援学校それぞれに特色があり、「知的障害」を主に専門的にみる学校や、「病弱」を主にみる学校など、やはり優先されるのは、障害の重い子ども達です。

支援学校の定員を超えた希望者が多くなっていると聞きます。

さらに支援学校は市内に一つあれば良い方で、遠くに住む家庭は送迎が必須になります。
 
送迎できる車を持てないお金がない家庭もあり、そもそも「支援学校」に通う選択肢から外れてしまう家庭もあると思います。

同じ小学校だった中程度くらい?の知的障害の女の子の家に、私は友達とよく遊びに行ってた時期があります。

彼女の両親は所謂“普通”ではなかったのです。母は過剰だったりヒステリックで、私がいるのに父とケンカし、父は傍にあったハサミを母に向けていました。

そのような“普通ではない”家庭に生まれた障害を持つ児童が、支援学校のある近くに引っ越すなどの措置が取られるワケがありません。

“普通ではない家”に育った私はそんな様子を見ても感覚麻痺していましたが(笑)


デメリットは?

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メリットもあれば、デメリットもあります。

『個別学習』が難しい

インクルーシブ教育は加配の先生が横について通常の授業のサポートをしてくださります。

通常は、他の生徒がしてる内容をサポートするだけなので『個別学習』の取り入れがありません。

これは、『先生(学校)↔家庭』の意見の擦り合わせがとても重要になってきます。


長男の場合、LDセンターに行って正式な検査と学習支援方法、オススメの教材を教えてもらい、学校に共有したらそこから長男専用の宿題や個別学習を取り入れてくれました。

どの授業で個別学習を取り入れるかは、全て支援担任の裁量に任せています。


しかしこれはかなり“ラッキー”であると自認しています。

そもそも専門医、専門施設までたどり着くのが難しい親子はたくさんいます。

ディスレクシアの診断が無かった1年生時代には、支援担任と何度も何度も面談したり、電話やメールのやり取りや、放デイの様子を伝えるなどをして、長男に負担が掛からないような「1年生の初期にする優しい課題」を提供することしか出来ませんでした。

支援の先生方も『長男に合った学習支援』を手探りしながら課題を出してくれていたのです。


やはり『子どもに合った学習支援』は私にも、学校にもわかりません。

もしかしたら、迷路や、コグトレや、一桁の算数や、ひらがなのなぞり書きだけでもある程度は成長したかもしれません。

しかし、外部のプロの手助けが必要だと感じる場面もあります。

私と学校とデイの長男の目標は
『学ぶことを嫌いにならないこと』
です。それさえクリアすれば、どうにでも生きていきます。

もう一つは、二次障害にさせないのが目標です。
これは学校側もよくわかってくれているので助かっています。

読み書き障害の困難さ

長男は学習障害とADHD(軽度のASD)もあるため、健常児ができる板書や音読や自分で考えて文字を書くこと、漢字を覚えるための繰り返し練習、テストなどの、所謂“普通の授業”ができません。

みんなと同じ授業を受けながら支援担任の先生が横についてくれる形だけでは難しい場面も多々あります。

ワーキングメモリが低いから、耳からの情報を聞き取る容量も集中力も足りず、「担任の先生が何を言ってるか理解できない」→支援の先生の個別の声掛けが必要

黒板や教科書の文字を読めない(読むだけで非常に労力がかかる)

話し言葉の情報だけでは、脳がついていかず、授業がわからない、だんだん集中力が途切れてくる

歩き回る、他の子に話しかける、担任の先生の元へ行くなどの行動をする


長男はWISCでは全領域IQ89でしたが、ワーキングメモリ=短期記憶は68と、これだけ見ると「軽度知的障害」の領域です。


私自身、高校生のときを思い出しても、話が上手い先生の授業は集中して聞けたのに、退屈な授業の先生の話はあまり聞けませんでした。(教科書はラクガキだらけ)

数学は数字を見るだけでやたら眠たくなる毎日。

私も、「話し言葉だけ」で内容を理解するのが大の苦手です。

1人でゆっくりオーディオブックや勉強系You Tubeを聴くことであれば理解ができますが、「授業」という場は、緊張感もあって常に気が張っています。
気が張った中で板書や先生の話を聞くなど、やることが多いので『完全な』集中はできずに脳がついていきません。(HSPあるあるのようで、アーロン博士の著書にもありました)

私の場合は話を聞きながら手元の教科書や黒板の文字を読むことでやっと理解していたので、文字を読めない長男の苦労は計り知れません…。

『できない自分』への劣等感が作られる

当然“できないこと”が人より多い長男イチ。
言語力などは年齢相応だからわかりにくいけれど、実際自分が“できない”ことを痛感する様子。


長男イチよりも、かなりADHDが強そうなTくんの話を聞く。やることなすことインパクトがあって、先生を怒らせて、何回も同じことを繰り返す。

長男はその子のやることを、少し笑いながら「こんなことがあった」と話してくれる。
…と同時に「Tが怒られているのを見ると、自分が怒られている気分になって怖くなる」という、HSC気質な発言をよくする。
長男は『人の振り見て我が振り直せ』と言わんばかりに、Tくんやヤンチャ系男子が怒られている空気を瞬時に感じ取り、大人しく席に座りに行くそうだ(笑)


そのTくんのプリントが間違えて長男の連絡袋に入ってることが2回ほどあった。


先生によく怒られてしまうTくんも、プリントには“ちゃんと”私の読める字で、自分の言葉で、自分の力でひらがなが書けている。


何回か、間違えて入っていた他の子のプリントを見ると小さな「ズキッ」と心が痛む。

私自身、慣れた・理解しているとはいえ、やはり学習障害というものは違うものだと改めて感じる。

長男のプリントは全て、先生の赤ペン入りで、長男は文字の意味を理解せず、ただなぞるだけだから…。

だからといって、私は比較するようなことは絶対言わない。
でも長男は感じている。


1年生になって二学期までは言わなかった

「ぼくは字が読めないし、書けないから。」

この先、この劣等感を持って欲しくないと、切に願います。他に昇華できる方法を親子で探っています。

支援担任が横につくことを恥ずかしがる一面出てくる。

「みんなと違う」ことに気づくと、やはり恥ずかしさが生まれるのは、定型発達児も、発達障害児も同じなのです。

長男もこの様子が見られる時があるようです。学年が上がるともっと増えそうです。


また、1年生のときは「担任の先生」に認められたい気持ちが強く、支援担ではなく担任の先生に「丸付けしてもらいたい!」とか「赤ペンでひらがな書いて欲しい!」と、行ってしまうことが多かった。

席替えがあまり変わりない

支援級の生徒は前列の端っこが多いかと思います。

①支援の先生が他の生徒の邪魔にならない位置でなければならない

→そのため、端の席でなければなりません。
長男の横のスペースには、長男専用の落とし物ボックスがありました。ちょっと笑った。


②発達凸凹っ子はとにかく刺激を抑えなければならない

最近は黒板横の掲示物の貼り出しがなくなってきています。
黒板ではなく、掲示物が気になって授業に集中できない子がいるからです。

同様にそういう子は、前の席の子の動きで注意が逸れてしまうという難点があります。

だから、前の方1〜2列目の席になるのが良いと言われています。

なので長男は、いつも廊下側の端の前列です。

どうしても『お世話役』児童ができてしまう

1年生のとき、長男と帰り道が一緒で、しっかり者の同じ保育園だった男の子と同じクラスになりました。(2年生もまた同じなのは、学校の采配と思います)

長男が学校を休むと、宿題を届けに来てくれます。


長男は幸いにも女の子にモテモテのようで、1年生の時は優しいお世話焼きの女の子達(5〜6人)が長男を気にかけて、お世話してくれていることを、担任や支援担任からもよく聞いていました。(先生方はモテモテとは言ってない)


実際、オープンスクールで目の当たりにしたり、PTAの校内掃除の時も女の子が数人寄ってきて、あれ?長男よ、学園ハーレムアニメかな?と心の中でオタク母は思ったのでした。

支援学級 支援級 小学校 インクルーシブ教育 発達障害
オープンスクール後の長男


2年生になっても前のクラスで同じクラスだった女の子と楽しそうにお話していると聞きました。

長男のように、お世話焼きの女の子“達”がいるのは大変ありがたいことです!
(あまりにもみんな、上着を脱がせてくれたり、ロッカーに片付けてくれたりなどをしてくれるので、1年の担任には「1人でできるから!」と止められていた様子笑)

もしも、先生が決めた優しい“1人の子”にお世話係をしてもらうのは、その子にとって負担になりますし、親としても申し訳なくて気が引けます。

支援級児童によっては授業の妨げになる

インクルーシブ教育の学校だった人のツイートを見ると、支援級児童が突発的で奇異な行動をする児童であれば、授業の妨げに感じてしまうようです。

『報道特集』で出てきたカズキくんは、授業中に突然大きな声を出していても、みんなに認められていた、とありました。

しかし、通常学級の子の中には、大きな声に毎回びっくりしてしまうタイプの子や、一度途切れた集中力を戻すのに時間が掛かってしまう子もいます。


長男も、プリントを提出したあと、真っ直ぐ自分の机に戻らずに他のお友達の所に歩いて行ってしまうことが結構あるようです。

始めは色んなお友達に話しかけていましたが、反応が薄い子や授業に集中したい子の所には行かなくなりました。

きちんと授業を受けたい子…長男の行動によりご迷惑お掛けしてます…m(__)m



さいごに

支援学級 支援級 小学校 インクルーシブ教育 発達障害

1年間インクルーシブ教育を受けてきたメリットやデメリットを書き出していきました。

長男の学校はかなり発達障害やその他障害に理解がある学校です。

『支援学級生徒の親の会』も存在します。

他の公立の小中学校が、同じ基準を満たせれば地域差が無くなるのに…

まだまだ発達段階の『インクルーシブ教育』を、長男の成長と共に見守っていきます。

お読みいただきありがとうございます。


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