発達凸凹BOYとの日常

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【第3の愛着障害】気づける親はかなり少ない。発達障害に似ている愛着障害とは?

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このブログの主役のいち(長男)。

うちの育てにくさが爆発しているこの長男は、

多動、衝動性、暴力、暴言、興奮しやすい、感情コントロールがほぼできない(自制心0~10%)
その他問題点は色々ありますが、家族として毎日困っているのはこれらの症状です。


もしかしたらこれらは【愛着障害】が関係しているかもしれないと思い、最近ずっと勉強してきました。


□なぜ愛着障害を疑ったか
□愛着障害とは?
□医学的な愛着障害以外のもう一つ
自閉症スペクトラム障害と関係する
【第3の愛着障害】とは何か?


まだ勉強途中ですが、長男を例とした推測と、勉強内容のアウトプットをさせてください。

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愛着障害·愛着の問題を抱えるこどもをどう理解し、どう支援するか?

参考にした著書です。

『愛着障害·愛着の問題を抱えるこどもをどう理解し、どう支援するか?アセスメントと具体的支援のポイント51 著·米澤好史』

挿し絵など一切ない、どちらかというと学校園所や施設向けの本です。


ですが、家庭でも大変参考になる本です。
しかし、当記事タイトル通り“親が子の愛着障害の可能性に気付く”ことは極めて難しいと本書にも記載があります。

実際私も、愛着障害の可能性に目を向けた際「いやいや愛情持って接してきているし」と、自分の子育てを否定された感覚があったので、本質をしっかりと見ようとしていませんでした。
(愛着障害で検索しても、後述の『医学的な2書類の愛着障害』しかほとんど情報がない為もある)


しかし、この本に書かれている愛着障害は、長男の症状によく当てはまるのです。

著書は、皆さんが知ってる【愛着障害】ではなく、著者が提言している後述する『第3の愛着障害』について最も詳しく書かれています。

我が子が愛着障害になるなんて…


愛着障害に目を向けた過去はありました。
しかし、文献はささーっと見るだけであまり関係ないかもとしっかり勉強しませんでした。

主に学ぶことと言えば『発達障害関連』『HSC/過敏性』についてが多かったです。

そして、月日が流れ、最近のことですが、自分自身が愛着障害(“愛着の問題を抱える子ども”レベル)からの回避性パーソナリティー障害の気があるなと気付いてからは、アダルトチルドレン以外にも目を向けるようになりました。


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長男が赤ちゃん時代には、育児関連コラムを読み漁り、図書館で借りた育児書をよく読んできたために

「なるほどね、子どもにはアタッチメント(愛着)が大事なのね」と、授乳中は赤ちゃんを見つめるだとか、なるべく携帯を見ないだとか、ベビーマッサージやベビードレナージュを行うだとか子どもにはしっかり愛情を持って接してきました。

元々“子ども”という存在自体が愛しくて仕方ないタイプなので、当然ですが我が子はもっともっと可愛いと思っています。


それがなぜ、愛着障害(愛着に問題を抱える子ども)に?



実は愛着障害とは、被虐待児やネグレクト、養育者の死別や離別“だけ”が問題というわけではありませんでした。


本ブログは私のように虐待をしていない、むしろ子どもに十分な愛情を持って接しているのに『第3の愛着障害』のようになってしまっている長男について解き明かしていきたいと思っています。



医学的な愛着障害と、心理的な愛着障害

それでは愛着障害とは?

愛着障害とは子どもに向けられた障害名であり、大人には診断名はつきません。


医学的には愛着障害は2種類しか分類されていません。

  • 反応性アタッチメント障害(反応性愛着障害)
  • 脱抑制型対人交流愛着障害(脱抑制型アタッチメント障害)

簡易的に言うと、反応性アタッチメント障害は、過度に人を警戒し過ぎる子どもです。

脱抑制型対人交流愛着障害とは、過度に人にベタベタ接触を求める子どものことです。


これらの障害名がつく程の環境に置かれた子ども達は、かなり辛い体験を送ってきています。

この上記2つが医学的な愛着障害であり、一般的に認知されているものであり、冒頭のように私や、その他の親達が「愛着障害の可能性」に気付けない理由の一つでもあります。

心理学的な愛着障害とは?

著者の米澤好史氏は和歌山大学の教育学部教授の臨床心理士のエキスパートです。

その他、『愛着スタイル診断』でお馴染みの岡田尊司氏も、心理学的な愛着障害の、診療·研究をされています。


米澤氏は、愛着障害は自閉症と同じように「スペクトラム(連続体)で考えるべきだ」と仰っています。


自閉症の度合いが、強弱があるように、

愛着障害の度合いも1か0ではなく、人それぞれ強弱がある。

という考え方です。


そして、前述の『第3の愛着障害』と定義されているのが

自閉症スペクトラム障害×愛着障害

の組み合わせであり、著書の本筋であり、長男に当てはまる項目が多いものです。


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実際自閉症であるかどうかは別として、話をすすめていきます




『第3の愛着障害』とは?

『第3の愛着障害』とは、育児·保育·教育·福祉の現場でもっとも気になる支援困難のケースとして見いだされるタイプ

愛着障害·愛着の問題を抱えるこどもをどう理解し、どう支援するか?アセスメントと具体的支援のポイント51 著·米澤好史 p20

このタイプの愛着障害は、ADHDと誤って診断·理解されやすい。


先天的脳機能障害である自閉症スペクトラム障害(以下ASD)は、と愛着障害が併せ持つ可能性は当然あり得る話ですが、現在の精神医学会ではASD×愛着障害の併存診断は認められていないようです。


自己の感情認知や、他者の感情認知が苦手なASDだからこそ、愛着形成や感情発達の問題を持ちやすいとも言えます。

愛情ある養育者と愛着障害の関係

前述の通り、たくさん愛情を与えてきたはずの長男が、なぜ愛着障害のような症状が出ているのでしょう?


実は、愛着障害とは
愛情を与えていない障害が愛着障害なのではなく、こどもが愛情を感じられていない状態が愛着障害であると、米澤氏は仰ってます。

したがって、親がしっかり関わっているように見えれば愛着障害は有り得ないという見方が間違いであると言います。

⚫子どもが欲しい愛情を与えていない場合
⚫欲しいというタイミングとずれて愛情を与えている
⚫子どもの気持ちを考えずに養育者などが自分の勝手な思いだけで関わる
⚫子どもが欲しくない愛情を与えている

これらのような理由でも愛着障害になりうるようです。
大人になったらアダルトチルドレンとして表面化しそうな案件ですね…。

そうは言っても普通に接してきたつもりよ!?


例えば、子どもがあまり行きたくない習い事に通わせること

例えば、保育園に送る際、泣き叫ぶ子どもと引き離す
こういった日常の些細な親=子の感情のすれ違いが愛着障害、または愛着に問題を抱える子どもを生み出してしまうようです。


そうは言っても、多かれ少なかれやってる人は多いはずなのに、なぜ問題が表面化してしまう子どもがいるのでしょうか?


以下は私の持論ですが

自閉症(スペクトラムであるので、薄い子から濃い子まで)や

HSC(HSP)などの不安が生まれもって高い子がなりやすいのでは?と私は思います。


人口比率のほとんどの子どもが、上記のような些細な親子間の感情の食い違いに、それなりに納得して生きていけるはずですが、

ごく一部の“不安が高い子ども”として産まれてきた子ども達は、些細なことでも愛着を不安定にさせるのではないかと予想しました。



実際、長男は生後2ヶ月頃から育てにくさを感じていて(目が合えば笑うのはすごく早かったのに)

『この子はなぜこんなに不安なんだ』と思っていました。

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1歳4ヶ月で保育園デビューしており、母子分離不安も強く、3歳児クラスからは毎朝登園渋りをしています。

現在年長クラス(5歳児)でも、毎朝

「ギューして」「抱っこして」「握手して」「タッチして」「またギューして」「もっと強く」「まだダメ」「座ってじゃないとダメ!」「んぎゃー!!」


毎朝登園渋りをして、家からなかなか出られない上に、(ほぼ朝礼に間に合わずなのに)保育園に着いても私から離れたがりません。

私も現在育休中なので、病気ではなくても「そろそろ疲れが溜まるだろうし休ませよう」と、保育園続きにしないように、スケジュール配分をしています。(週3~4日保育園)


休みの日には二人の子どもを乗せた電動自転車30分弱漕いで、大きめのショッピングモール内の広場で遊ばせたり、山道を登ったり、3人でカラオケに行くこともありました。


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私なりに頑張ってはいるんですがね…


愛着の器が不安定


与えた愛情が、愛着の器(愛情タンク)に入りにくいという話は以前『自己肯定感』の記事でしました。

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私がこの記事を書いた時は、米澤氏の『愛着の器モデル』を知らなかったのですが、体感的に、長男の『愛着の器』が見えていたのです。


⚫私の描いた長男の愛着の器愛着障害 HSC HSP 発達障害 自閉症 ADHD 米澤 愛着の器

⚫米澤氏の『愛着の器モデル』
愛着の器 米澤

タイプC(ASD+AD)にそっくりですよね!?


米澤氏の『愛着の器モデル』のC(第3タイプ)は、

狭い受け入れ口に蓋がついており、蓋が閉まっている時は一切関わりは受け止められず、愛情として感じられないのです。

受け入れ口の蓋が閉まっているときに行った関わりは、何をやってもうまくいかないことを知っておかないと、一度や二度試した関わりがうまくいかないことで、すぐに諦めてしまうことになります。

蓋が開いているタイミングを計って、また何度かやってみる必要があります。

この蓋は、特に不適切なことをして叱られたときや、自分の思いが受け入れられないと感じたときに閉まってしまうようです。

⚫しばらく時間をおいてタイミングを計ってあげる
⚫場所を変える
⚫人を変える
などの対策を取るのが良いようです。


また、

底の穴は関わりから感じたポジティブな感情·愛情を貯め、愛情エネルギーとして継続的に利用できるかどうかを表しています。

d(安定型)は受け入れ口も広く、底に穴も開いておらず、角もない形状(愛情への感受性の高さ)です。

c(第3タイプ)はa(脱抑制·過度に接触を求める)のように、底に穴が開いており、
すぐにポジティブな感情·愛情がなくなってしまうことを表しています。


そのため両タイプは「愛情欲求エスカレート現象」を起こしてしまいます。


まさしく生まれてこのかた長男は
「かまってちゃん」「俺を見ろ」「聞いてくれ!」「俺の言う通りにしろ」「なんでみんなわかってくれないんだ!」状態なのです。


愛着が安定している次男と安定していない長男

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左が次男です。

次男はかなり強い子で、長男に殴られ蹴られ、押されて頭ゴンしても、ほとんど泣きません。

イヤイヤ期も短く、2歳1ヶ月で私とコミュニケーションを取り、自分の欲求を伝え、私が応え、満足しています。


かたや右の長男は

⚫受け入れ口は狭く
⚫両手に抱えるほど大きく、重く、割れやすい
⚫底にはすぐ穴が開いて愛情が漏れ出ていてなかなか貯まりません


両手からは私の愛情は同じ分量(むしろ長男に多くを割いている)注いでいるはずが、生まれ持った気質(+環境)でこうも変わるのですね。。


考えられる原因は

⚫根っからの一人っ子、もしくは弟気質
⚫HSCやASDもあり、かなり不安が強い
⚫ネガティブな記憶を残しやすい
⚫衝動的なADHDもあり、叱られやすい
⚫ながすぎる赤ちゃん返り
⚫長男は1歳4ヶ月で保育園、次男は2歳過ぎても保育園に通っていない
(愛着の形成は2歳までと言われる)


次男が生まれる前から不安がとても高くて、癇癪イヤイヤ期が永遠なかまってちゃんな彼が、3歳11ヶ月でお兄ちゃんになりました。


そもそもADHDなのか、疑似ADHDなのか?


もう少し勉強する必要がありそうです。

さいごに

『第3の愛着障害』の存在と、我が家の長男に絡めてお伝えしました。


愛着障害に関してはまた何回かに分けた記事を書いていくつもりです。


ここまでお読みいただきありがとうございました!



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