前回は一つ下の弟が、大人になってから療育手帳を取得(予定)した経緯をお話しました。
今回は「なぜ自閉症だと思ったか」に焦点を当てたいと思います。
知的障害については無知だった
前回記事はこちら
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私は、
知的障害がどの程度なのか?
知的ボーダーとはどの程度なのか?
ということには詳しくなく、「自閉症」であることは確実だなと思ったので相談を開始しました。
始めの面談で「知的ボーダーの可能性がありますね」と言われた時、ただ単に発達障害だと思っていた私は「へぇー!」と少しだけ驚きました。
すぐに「だから話の理解に時間が掛かるのか」と納得しました。
前回ご紹介した沖田×華さんの『はざまのコドモ』のマンガで「知的ボーダー」についての知識はあったものの、自閉症スペクトラムと知的障害の境目の知識が曖昧でした。
はざまのコドモ 息子は知的ボーダーで発達障害児 (本当にあった笑える話)
- 作者:沖田×華
- 発売日: 2016/02/04
- メディア: Kindle版
自閉症だと思った理由
数少ない記憶や、母から聞いたことから算出された「自閉症だな」と思った弟の行動です。
幼少期
- 保育園の門の前で、毎朝ずっと泣き続けていた。
母から離れようとせず、先生の言うことも聞けなかったので、年子の私が「ほら!お母さん仕事やねんからバイバイしよ?」と諭していた。
私と母の言うことなら比較的聞いていたので、毎朝の弟の泣きじゃくる登園渋りは先生も私頼みにしていた。
- 扇風機や洗濯機がぐるぐる回るのをよく見ていた
- 左についている洗濯表示タグが気になる(感覚過敏?)から、いつも服を捲ってしゃぶっていた。
「なんで?」と聞いたら「気になる」と答えていたと思います。
結構大きくなってもやっていた。
- 発達や発語は詳しく覚えてないけど、私や姉より遅かったらしい。(男の子だからと気にしなかったらしい)
小学校時代
- 私が2年生、弟が1年生の時、休み時間になるといつも私の教室に来て、ずっと私について回っていた。
ある時私が嫌で嫌で堪らなくて爆発するまで続いていた。
- 弟は知らんと言うけど、一時期?加配の先生がいたと思う
- 保育園も小学校も集合写真を見たら弟はいつも先生の横だった
- なぜかほとんどの学年の生徒や先生から、名前呼びされていた。理由は全然わからないけど問題よく起こしていたのか?目立っていたのか?
- 同じ子達から学年が変わってもずっといじめられていた(からかわれたり、良いようにされたり、ゲーム借りパクされたり)
- 年長~1年生くらいで習っていないかけ算やわり算が出来ていたのに、成績はずっと悪かった
- トイレ(大)をする時はなぜか全裸というのは中学生くらいでもやっていた(神経質?)
中高生~社会人
- 中学生の時、家電のチラシを集めて眺めていた
- 誰でも入れる工業高校に入学したが、それでもついていけず、一年生で中退
- 考え方に固執しすぎていて、融通が利かない
- ネガティブなトラウマを昨日のことのように話す(長姉との確執)
- 平たく平たく説明してあげないと理解ができない(抽象的表現がわからない)
- 話し方が理屈っぽい
- 身だしなみに無頓着
- バスやタクシーなどの乗り物を「乗り物酔いする」と昔から思い込みすぎている
- バスに乗るのが嫌で、長距離でも自転車や徒歩。電車で1時間は掛かる場所へ、自転車で何年も通勤していた。
- 考え方が極端で融通が利かないので、話し合いを何度も重ねる必要がある
- 人工甘味料と、中国·韓国産を避けるように母に言う
- 母の興味ないニュースを突発的に理屈っぽく話し始める
抽象的理解が乏しい
私が「こんなに平たく平たく言わないと理解してもらえないのか」と愕然したことがあります。
母は倒れてから、葬式や続いた叔父のお葬式などで、ほとんど毎日顔を合わせました。
医師から手術の説明をされ、手術するかしないかを話し合う時、とんちんかんな発言をする度に姉が責めてしまうので、自閉症に少し理解がある私が、弟に説明する役を担いました。
「足が(壊死すると言われたので)無くなるのなら、両足を切ったら生きれるんじゃないか」
「(手術しても介護状態にはなると言われたので)介護状態になったら俺が看ればいい」
→介護状態になった場合、どういう風になる可能性があるか、家族がやるべきこと等を一から説明する。
他にも、社会的な常識である「誰から教えてもらえなくても、大体わかること」の理解が乏しく、一緒に行動する時に困りました。
知能検査で言われたこと
- 得手不得手の凸凹の差が大きい
- 言われたことをパッと記憶する力は高い
- 説明が長くなると理解できなくなる
- 作業をするとき、丁寧に一つ一つ教えたら出来る
等々教えてもらえました。
「知的ボーダーと本当にギリギリ」とのことだったので、IQ68~69ということかもしれません。
性格は良い子
根は真面目で優しい子です。
知能検査の際も検査者さんに言われました。
悪い事を注意されたら「ごめん」と謝れる力があります。
機能不全家族で育ったことや、学校でのからかい(本格的ないじめがあったかは不明)などがあり、少し歪んでしまいました。
一時期対人恐怖症のような感じがあり、今でも人と目を合わせて話すことはほとんどありません。
学校から「支援学級」や「支援学校」の打診があったのかどうかもわかりません。
(私の住んでいる地域は加配という形でした)
知的ボーダーギリギリだから見過ごされてきたのかもしれないし、母のことだから根拠ない自信で「大丈夫です」と言い切っていたかもしれません。
さいごに
小さい頃から特別な支援が必要なのに、家族が気付いてあげられずに今になってしまいました。
知能検査の結果は、弟自身は少しショックそうな表情でした。
どういう時に療育手帳が必要か、検査員の方と一緒に説明をして、「必要なければ破棄出来ますか」とまたとんちんかんな発言をしていて、検査者さんに優しく教えてもらっていました。
(破棄じゃなくて返却)
療育手帳は5年で更新となり、行政から期限が切れるという連絡はないようなので、自分から行くことになります。
軽度知的障害ギリギリなので、精神障害者福祉手帳の取得もしておいた方が良いとのことで、5年以内に病院に付き添う予定です。(府の自立支援センターでは発達障害の診断はしていない)
ここまでお読みいただきありがとうございます!
【前編】はこちら
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軽度知的障がいのある子供たちが小学生になったら読む正しい育て方の本
- 作者:松本加寿美
- 発売日: 2019/03/08
- メディア: オンデマンド (ペーパーバック)