年末の大忙しのこの時期に相応しくない…いや、この時期だからこそワチャワチャして危険が増すから読んでもらいたい記事です。
数ヶ月前、「赤ちゃんがいる家庭で絶対やってはいけないこと」の1、2位を争う
【ボタン電池の誤飲】を、1歳8ヶ月頃の次男がやってしまいました。
【ボタン電池の誤飲】危険性、行われる処置、我が家での病院でのあれこれです。
*この記事は2020年12月の記事をリライトしました。
ボタン電池の誤飲は大変!すぐ病院へ!
妊娠したら母子手帳や、付いている冊子等に必ずと言っていい程【ボタン電池の誤飲】の危険性が書かれているため、妊婦さんからご存知の方も多いはず。
…しかし?
みんな意外と知らない?
重症化することを知らない人が約6割!
乳幼児が製品からボタン電池等を取り出し、飲んでしまう事故が起きていることを知っていると答えた人は約8割でした。
しかし、ボタン電池等の誤飲による重症事例の存在を知らない人は、全体の約6割でした。
という報告があります。
少し前の調査だから、今のパパママ達は情報通なので結構知ってる可能性もあります。
最悪の場合、死に至るおそれもあるので『確実に誤飲したのを目視したら』すぐに救急車を呼びましょう。
口ではなく、鼻に突っ込むパターンもあります。
2歳になった次男も未だに危ない。
(しかも挑戦的な目をしてやってくる)
鶏肉の上にボタン電池を置いたら、鶏肉がどんどん腐食している画像を見たことありませんか?
鶏肉=たんぱく質=人間の体内
ボタン電池や医薬品、タバコなど 子供の誤飲事故にご注意を! | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン
これは国民生活センターが実験したもので、上記の政府広報オンラインから見ることができます。
この画像は数年前に話題になり、私も目にしてからは絶対絶対!気をつけよう!と決心しました。
画像の転載は許可なくできないので、リンクから見てください。
ボタン電池の誤飲による危険性~施術は?
体内組織が腐食する
アルカリマンガン電池(LR)、水銀電池(MR,NR1)、酸化銀電池(SR)、空気亜鉛電池(PR)は内部にアルカリ成分の液体を含んでいます。
消化管に接触した電池から電流が流れると、電気分解により電池の外側(マイナス極側)にアルカリ性の液体が作られます。
このアルカリ性の液体はタンパク質を溶かす性質をもっており、短時間に消化管の壁に損傷(出血、潰瘍、穴)が起こることがあります。
コイン型リチウム電池は電圧が高いため、腐食のスピードが早く、上記のボタン電池よりも緊急を要します。
落ちた場所は?
- 食道に引っ掛かってないか?
- 胃に落ちたのか?
- 腸までいったのか?
電池の種類、電池の使用量、落ちた場所、飲み込んだ数により、処置が変わります。
施術
- マグネットカテーテルにて異物除去を行う
- 透視下にて異物除去ができないと手術になる場合がある(=内視鏡)
- 自然の排出を待つ場合もある
日小外会誌 第55巻 4 号 2019年 6 月,pp. 795-801
doi: 10.11164/jjsps.55.4_795
当科におけるボタン電池誤飲 33 例の臨床的特徴と
治療アルゴリズムの検討
内視鏡下手術の方法
全身麻酔後、小さな穴を数か所開け、一つの穴から内視鏡の一種を挿入し、中の様子をテレビモニターに映し出します。別の穴からは器具を挿入し、テレビモニターで確認しながら病巣部を摘出します。
https://www.jnj.co.jp/jjmkk/genera/laparo
内視鏡手術がどういうものか知らなかったので調べました。
リンク先に絵による解説があります。
1歳8ヶ月がこの手術をするのは、子どもも辛いし親も辛いですね…。
考えるだけでも怖いです。
後述で我が家の経過を書いていますが、病院での付き添いは主人でした。
もしもマグネットカテーテルで取れなかった場合、全身麻酔して手術(内視鏡)すると言われたようです。
誤飲した時の状況~我が家の場合~
私が美容院へ行くため、主人に次男を任せました。(長男は保育園)
主人は久しぶりに会わせてあげたいと、次男を義母の家に連れて行きました。
そして、義母宅にあった【補聴器のボタン電池】を誤飲してしまったのです!
補聴器のボタン電池
補聴器のボタン電池は『空気亜鉛(PR)』という種類の電池です。
直径(mm):7.9
高さ(mm):3.6
極小電池で、よだれの多い乳児は絶対にすぐ飲み込んでしまうサイズです。
※必ず飲み込んだ恐れのある電池のパッケージなどを持参しましょう!
おかしいと気づく主人
目を離した隙にやられていて、誤飲した所は見ていないそうです。
パッと次男を見たら、一生懸命下を向いて唾を吐いていたようでした。
そこで、「ここに電池置いてた?」と義母に聞き、「まさか…いや、でも…!」とパニックになりながらも、小児救急電話相談(#8000)に電話をして、診てくれる病院を聞いてから市民病院へ向かったのでした。
保険証はあとで
美容院で呑気に髪を染めていた私は、ロッカーから着信音何度も鳴ってるけど…まさか私の電話?
と、シャワーキャップをつけながら、ロッカーに向かいスマホを見たら着信の山!
そして、説明を聞いて心臓はバクバクしました。
「保険証ないんやけど…」とパニクる主人に、「とりあえず10割負担で払っていいから、後日提示したらお金返ってくるし、とりあえず病院に行って」と任せました。
不安な気持ちが胸をぐるぐるしましたが、『両親』という名の片親が付いているんだ。と心の中で唱え、主人に全て任せました。
しかも美容院の後は予約していた免許の更新があった…という余談
ボタン電池2個飲み込んでいた
紹介された市民病院に行ってレントゲンを撮ったらボタン電池2個、距離を空けて胃に落ちていました。
これがくっついていたら、ショートするかもしれないと説明されます。
胃の中でくっつかないように、抱っこの姿勢を出来るだけ崩さないで下さいと指示されて救急車で大学病院へ。
「絶対飲み込んだ事実はない」と電話したのもあるが、なぜこんな緊急事態になるかもしれないのに施術出来ない市民病院を一度案内されたのか、未だに少し疑問…
大学病院にてマグネットカテーテルで除去
前述のもしもマグネットカテーテルで取れなかった場合、全身麻酔して手術(内視鏡)するという説明を受け、次男は別室へ。
大泣きする声は聞こえる。
しかし、上手く取り除いてもらえ、施術後はケロッとしていたよう。
その後
「もうお茶を飲んでいいですよ」と言われ、そして今後は気を付けるように注意を受けたようだ。
幸い、損傷もなかったので晩御飯も何を食べてもいいと言われ、私も主人も疲れきっていたので回転寿司に行きました。
さいごに
保険証を持った私が駆け付けた時には、お茶をグビグビ飲んでいました。
元気な姿を見て本当に安心しました。
飲み込んだのを見たらすぐさま大きな病院へ。
飲み込んだかわからない、でも何かおかしいと思ったら病院か#8000へ。
飲み込んだことは知らないけど、以前よりぐずつき方がおかしいときはかかりつけの病院へ。
本当に取れて良かったです。
病院の皆様には感謝しかありません。
本当にありがとうございます。
ここまでお読みいただきありがとうございます。