長男イチは、成長ホルモン分泌不全性低身長症という難病指定の病気を持っています。
その名の通り、自分で必要量の成長ホルモンを分泌できないため、「成長ホルモン剤」を補填してあげなければ、低身長の大人になる病気です。
そのため、2歳11ヶ月から、現在6歳6ヶ月まで、ほぼ毎日お尻に注射を打ち続けています。
これは、思春期まで続きます。
この先の長い長い病気と闘うためには、「子どものモチベーション」と「親の高い精神力」が必要です。
でも、3年半打ち続けてようやく気付いたことがあります。
それが、
低身長治療は、気長に、焦らず、子どもに合わせて、親も無理しないことが大切
ということです。
・低身長治療を受けている、または受ける予定の親御さん
・もしかしたら我が子が低身長症かもしれないと思い始めた方
・当疾患、または低身長症のことを知りたい方
成長ホルモン分泌不全性低身長症の治療のブログ記事一覧
・【1】成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断されるまで~乳児期の身長・体重~ - 発達凸凹BOYとの日常
・【2】成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断されるまで~負荷試験編~ - 発達凸凹BOYとの日常
・【3】【診断結果画像あり】成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断されるまで~結果・成長ホルモン剤の選択~ - 発達凸凹BOYとの日常
・【成長ホルモン分泌不全性低身長症】毎日の治療の様子はどんな感じ? - 発達凸凹BOYとの日常
・【成長ホルモン分泌不全性低身長症】ホルモン注射器グロウジェクターL(グロウジェクト)の使い方 - 発達凸凹BOYとの日常
現在の治療の様子
去年こちらの記事を書いた時の長男の様子と少し変わりました。
今は3〜5分のYou Tube動画を見て注射をしています。
最近ほとんど毎日見ているお気に入り動画は、「鬼滅の刃の煉獄さんが大食いしてる」動画です。
韓国の方が作ったアニメーションで、煉獄さんが可愛いので次男もお気に入りです。
他には、大好きな『まいぜんシスターズ』のショート動画3本(約1分×3)を見ています。
長男はかなりの感覚過敏なので、夢中になれる物がないと意識が注射に行ってしまいます。
本人がそれを一番よくわかっているので、たまに「今(ここのタイミングで)して!」と言うことがあります。
他にも、二の腕や太ももやお腹にも注射ができますが、彼がお尻を指定するため、左右のお尻を交互に売っています。
青アザなどは出来ていません。
親の精神力次第…環境が毎日の治療を左右する
週7日、毎晩注射する必要があります。
3ヶ月に一回受診し、体重が増えたら薬の使用量が増えます。
「毎日0.5mgにしてね」
「土日だけ0.4mgで、平日は0.5mgね」
「日曜だけ0.6mgで、あとは0.5mg」←今ここ
親である私が、それらを全て管理します。
しかし、毎晩できないことがあります。
うっかりしていた。
寝てしまった。
長男が晩ごはんも食べずに寝てしまった。
それで誰かに責められることはありません。
次の日に2倍量打てます。(1日の最高量が決まってます)
しかし成長ホルモン治療とは、毎日少しずつ打つことで効果が高くなります。
やはり、子どものための治療だから、親がしっかりしなければなりません。
でも、気負いすぎてはいけません。
私なんて、
2日目→✕
3日目→◎(2倍)
4日目→✕
5日目→◎(2倍)
6日目→✕
7日目→✕
8日目→◎(2倍)
9日目→◎(2倍)
なんてことを、しょっちゅうやってしまいます。(先生には秘密で)
でも、長男は成長しています。
今では、成長曲線の平均ど真ん中辺りまで伸びました。
もしかしたら私が真面目に毎日続けていたらもっと伸びていたかもしれない。
でも、今長男はちゃんと成長できてる。
成長ホルモン治療を受ける前までは、成長曲線からかなり外れていた彼も、立派に成長しました。
私のやり方はオススメはしないけど、気負いしすぎず、がんばりましょう♪
『環境』が左右する
私は、注射がなかなか打てないことに罪悪感がある日々が続いたことが2回あります。
1つは、母が亡くなった前後
2つは、長男小学校入学後
です。
母が亡くなったとき
母が亡くなる前後、私は強い精神ダメージを受けました。
ICUに入って病院に行った日の夜、母が亡くなる夢を見てボロボロ泣いて目が覚めました。
母が亡くなってしばらく、夢の中でいいから母に会いたいと願いました。
母が亡くなってから、泣きながら母を引き止める夢、「なんだ生きてるじゃないか!」と嬉しくなった夢を数回見ました。
そのような精神状態はギリギリで、子ども達の前では笑って育児をするのが限界でした。家事は極力サボりました。
注射での治療が疎かになり、その1ヶ月後に定期受診があり、「毎日打ててますか?」と先生に毎回聞かれるのですが、事情を説明すると
「それはお母さん大変やったね…打たれへんのも無理ないから、無理しないようにね。」と言っていただけました。
ブログを始めて心の整理をしていたらかなり回復してきました。
私はブログで自然とグリーフケアを行っていたのです。
落ち着いてからはいつも通り治療をすることができました。
小学校入学後
2回目の小学校入学後は、次男保育園入園と、私の職場復帰が重なり、4月〜6月までの2ヶ月間は、緊張と疲労と、小学校と保育園のことで頭がいっぱいになり、かなり無理をして生活していました。
長男も、慣れない小学校生活の後の週3日の放デイで、帰ってきたらお風呂や晩ごはんを食べずに寝てしまう日が多くなりました。
先述の通り、長男は赤ちゃんの頃から感覚過敏です。身体中が「背中スイッチ」でしたので、ゆっくり眠れない子でした。
5歳頃まで悪夢にうなされて…いや叫んで足をバタつかせて眠ることが週5日あり、今思えば睡眠障害だったと思います。
そのため、「最も深く眠る時間」と言われる寝入り一発目のノンレム睡眠を逃せば、寝てる間の注射をさせてくれないのです!!
先生からは「“これから毎日注射をしなければならない”という子どもへの習慣づけ」のために、寝る前に注射をすることを推奨されていますが、タイミングが合わなければ寝てからでもいいと言われています。
疲れて寝入ってしまった長男のために、高速で部屋を暗くし、寝室を片付け、次男のお世話を同時進行で行いながら、長男を抱きかかえて移動させます。
(変な時間に起きられると困るから)
そこで気付きます。
「注射、(冷蔵庫から)出してない!!」
成長ホルモン剤は冷蔵庫保管のため、30分以上常温下に出して置かなければ、ヒヤッとしていて痛みが増すようなのです。
そうこうしてるうちに、ノンレム睡眠終了のお知らせと共に寝返りを打ち始めました。
その後は次男を寝かせてから機会を伺うも、「ノンレム睡眠中かな?」と思わしきタイミングでパンツをズラすも、パンツを即座に上げられて全く打たせてもらえません…。
途中で動いて針が折れて、怪我をさせてしまったこともあります。
または、スタンバイすることも諦めて睡魔に勝てず寝てしまう日もありますし、注射を出したまま寝てしまう日もよくあります。
(ホルモン剤メーカーによっては夜間一日出しっぱなしにしたら、使用期限が短くなります)
こんな日が頻繁にありました。
看護師さんに相談してみた
上記の小学校入学後の日々をお話しました。
そうすると、“意外”な話を聞けました。
・毎回注射を打つ部分をアルコールで拭くのだから、「お風呂入ってから」とこだわらなくても大丈夫
なーんだ。
治療開始のあの時に聞いたこと、
「成長ホルモンが多く分泌される寝る前に打って下さい」
「清潔な、お風呂上がりに打つ人が多いよ」
という言葉を『しっかり』守らなくて良かったんだね。
そして、大きくなった長男はこう言ってくれます。
私がうっかり注射を冷蔵庫から出すの忘れていて、早く寝かせることを優先にしたい私が、「寝てから打つよ」とか「今日はめんどくさいから明日にしよう」と言ってしまうのですが(笑)
「注射、冷たくてもいいからやって!」
長男の目的はYou Tubeなのですが、「冷たいままでいい」と言ってくれるようになり、うっかり冷蔵庫から出していなくても打たせてくれることも多く、助かっています。
(治療的には冷たいまま打っても問題ないそうです。)
やはり皮膚から侵入してくるときヒヤッとするようで、一瞬感覚がそちらに向くようですが、本人の許可が下りれば嫌がることはありません。
しかも、あんなに注射自体がイヤダイヤダと泣いていた3歳児の頃から比べると、本当によく成長してくれました。
You Tubeパワーと、長男の成長にカンパイ!
さいごに
低身長治療は、気長に、焦らず、子どもに合わせて、親も無理しないことが大切
そういえば、治療開始の時も「気長に、無理しないようにね。」と先生や看護師さんも言ってくれていました。
もらった手帳の記録もつけない私ですが、気ままにゆっくり焦らずやっていきます。
「子どものために毎日頑張らなきゃ!」と焦る、優しいお父さん・お母さんに向けて
お読みいただきありがとうございます。
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