現在【ADHD】の診断を受けている【HSS型HSC】な長男を見ていて思います。
この子はなんて損な性格をしているのだろう。
私がずっと見てきた、5歳の息子の損な部分を書き留めていきます。
- HSP(HSC)の性差
- 損な性格その1『過刺激下における多動』
- 損な性格その2『繊細すぎる』
- 損な性格その3『挨拶時だけの場面緘黙症の疑い』
- 損な性格その4『不安になればなるほどニコニコしちゃう』
- 損な性格その5『素直になれない』
- まとめ
HSP(HSC)の性差
HSPの研究よると、HSPにも性差があるようです。
男性より女性の方が
感覚感受性に敏感な人の割合が多いと言われています。
『感覚』というものは人それぞれのもののため、自己申告となります。
この結果については、女性に比べて男性は、敏感であることを良しとしない風潮が昔からあるために、本来の自分自身の敏感さに気付けていない男性が多くいる可能性もあります。
エレイン·アーロン氏も
社会に出ると、特に男性は、大変な労力を払ってもその敏感さを隠そうとします。
しかし気質の多様性は「人生のスパイス」であり、おそらく種が生き残るために必要なことなのです。
(著書『ひといちばい敏感な子』より)
よって、以下に記載した長男の「敏感さを隠そうとするような行動」は、男性本能や環境故のことと言えます。
もちろん男の子でも、敏感さをわかりやすく出す子どももいますし、女の子でも長男のように振る舞う子もいます。
損な性格その1『過刺激下における多動』
長男は5人に1人いると言われているHSC(HSP)の中でも、群を抜いて繊細な子です。
いずれは
繊細界の頂点に立つ男ではないかと思っています。(笑)
繊細王に俺はなる!
KING OF 繊細男子
私よりも繊細で傷つきやすく。
躁と鬱の落差が激しく。
感受性豊かだと感じます。
育て方を少し間違うと、二次障害になりそうな危うさを持っています。
エレイン·アーロン氏によると、
神経が高ぶりすぎている時、敏感な男の子は、じっとしているよりも動き回ろうとします。おそらく、そうしているほうが男の子の社会では受け入れられやすいからです。
とあります。
この件については『ADHDとHSC』の記事に詳しく書きました。
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反対に女の子のHSCは過刺激状態に陥ると、空想に耽りやすくなるようです。
アーロン氏が仰るように、
「刺激が多すぎると引きこもりたくなる」
または
「現実逃避したくなる」感覚なら私も昔から持っていますが、
「刺激が多すぎると動き回りたくなる」
という感覚は、私には全く理解ができません。
長男はまさにこれで、近くに私か主人がいる状態で過刺激状態に陥ると本当によく動き回ります。
ADHDと言われても仕方ありません。
HSCへの対策として「環境を調え、刺激を抑えてあげましょう」と言われますが、些細な刺激にも圧倒されやすく、スイッチが多すぎるために、全てを避けるとなると山奥で生活するしかないのかなぁとわりと本気で感じています。
損な性格その2『繊細すぎる』
きっと、周りから見たら、多動で元気でお調子者に見えるかもしれません。
小さい頃は内弁慶がかなり強かったのですが、今では知らない同年代の子どもや、知っている大人にぐいぐい話しかけます。
しかしその中身は『超繊細』
以前、こちらの記事に書いたように、いきなり「動物になりたい」と言い出した長男。
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人間社会のしがらみや、生きづらさに早くも辟易しているようです。
また、最近のこと。
私が小さい頃にもこのアニメあったんだよという話をしたら急に、
「おじいちゃんとおばあちゃんになったら死ぬんでしょ?」
と涙ぐみながら言いました。
『長男が大きくなったら可愛い女の子と結婚したら可愛い子どもが生まれるよ』
『そうしたらばぁばみたいに、お母さんもばぁばになるんだよ』
というような話は今までも何度もしてきました。
今年は、母と叔父が亡くなったのもあり、『人はいずれ死ぬ』ということも何度か話していました。
さらに、長男は
「じゃあ、子どもなんて育てなければいいやん」
「どうしてそう思ったの?」と聞くと
「だってさぁ、みんな死ぬんだから人間なんていなくてもいい。物や機械だけ(の世の中)になればいい」
君は『空想科学少年』か!
ラララ僕が大人になる頃には
さらに科学は理想の世界を創る
ララ呼吸をしない犬はもういるから
僕自身もまもなくロボットになれる
ハートも鉄になるのさ
傷ついたら取りかえようあの子のことも忘れれる
ポルノグラフィティ『空想科学少年』
一度その気持ちを受け止めた上で
人間がいなかったらこの電気もお布団もできなかったし、機械も人間がいなかったら風化して無くなるという現実的なことを話したのだけど…
(もしかしたらそんな答えを求めていないかもしれないなと後になって考える…)
かくいう私も、小学校高学年の時にこの『空想科学少年』を聴いて大変共感しました。
「確かに、みんなロボットになって鉄のハートになったら楽なのに」
本気で考えてました。
失恋したわけでもないのに。
あと
「海の底で物言わぬ貝になりたい」(byサウダージ)
とも思ってました。
失恋したわけでもないのに。(2回目)
これも、生きづらさを感じる繊細すぎるHSCが生んだ自然な感情なのかもなぁと思いました。
ポルノの晴一さんもHSP?
損な性格その3『挨拶時だけの場面緘黙症の疑い』
場面緘黙症とは?
社会不安(社会的状況における不安)のために、ある特定の場面・状況では話すことができなくなる疾患である。 幼児期に発症するケースが多い。
一般的に、2~5歳の間に発症する。しかし多くの場合、6~8歳になるまで診断や治療はほとんど行われていない。
(wikipedia)
一般的な場面緘黙症は、家では楽しく話せるのに、外の世界では一切声が出なくなる……という症状が多いと言われています。
恥ずかしがり屋と人見知りの最上級の状態であり、『他人から見られる自分』への不安がこの症状を引き起こすため、それらとは区別される疾患です。
しかし長男は、保育園で先生やお友達と会話できます。
挨拶の時や、マンションの人等に急に話しかけられると(「いくつ?」「それなぁに?」等)、声が出ないことがよくあります。
そういう時は私の顔を一点に見つめてニコニコしながら、小さな声で答えたり答えなかったりします。
保育園の挨拶
長男は保育園の朝夕のご挨拶がほとんどできていません。(4年程ずっと)
ニコニコした表情で逃げ回り、制止すると面白がってすり抜けて逃げます。
普通の挨拶は、「○○組の○○です。先生おはようございます。(さようなら)」
2歳の子でも言えます。
挨拶担当の視診の先生の前に立つと
私にしがみついて「お母さん一緒に言おう?」と言って、先生の顔は一切見ずに私だけを見てニコニコしながらふざけた様子で
「○、○、○、ぐ、み、の、はい、お母さん言って!…○、○、○…はい、お母さんも!○、○、○です!せ、ん、せ、い、、、お、は……よ、う、ご……(笑)」
これ、端から見たら完全にふざけてますよね(笑)
「ございません!」や「さよーなら!」とかも言います。
前はわざと主人の名前を言ってました。
「挨拶は緊張するのだな」とはずっとわかっていましたが、最近まで私も、苦手だからそれを隠すようにふざけるだけだと思っていました。
これが視診の先生があまり馴染みのない先生だったりすると、もっと酷くなり、途中で言わなくなって逃げることもあります。
しかし、楽しみな行事だったり、今すぐにでもやりたい遊びが待っていたりすると、超早口でご挨拶出来るときがあります。
(年に数えるくらいですが…)
大好きな療育でも…
心許している大好きな療育ですら、ご挨拶ができません。
階段登るまでは普通だったのに、インターホンを押してドアが開くぞ!という雰囲気になると、緊張してギューッと縮こまった雰囲気になりながら私の後ろに隠れます。
そして、「あれ?どこー?」と言ってもらえると、「ばぁ!」と言って出てきて、挨拶はせずに大好きなマリオの話をし始めます。(療育の先生に見てもらいたくて、リュックにマリオグッズを忍ばせている)
そして、帰りもご挨拶はしません。
主人相手にも緊張が高まる
このかくれんぼのような感じで「ばぁ!」と出るのは、実は数年前から主人が毎晩帰ってくる度にやっています。
カギの音が聞こえると、「いち(長男)いなくなっちゃったって、お父さんに言ってね」と言って隠れます。
そして、緊張でギューッとしている雰囲気が私にも伝わってきます。
そして、主人は長男を探すフリをして「ばぁ!」と自分から出てきます。
このかくれんぼ方式になる前は、私の後ろに隠れてギューッと縮こまってました。
(見つけられることはドキドキが強すぎて嫌だから、自分から「ばぁ!」と出るのは一緒)
主人相手にしているこの「ばぁ!」は、逆にこの緊張感をスリルとして楽しむようにしているようにも見えます。
私自身は、子どもが生まれてからは積極的にご近所さんに挨拶の言葉を交わすようにしたり、長男に対して挨拶出来なかったことを責めたことはありません。
(出来たことは褒めてきました。)
損な性格その4『不安になればなるほどニコニコしちゃう』
今回の文中で「ニコニコしながら」というワードがたくさん出てきますが、これは長男なりの『自己防衛本能』です。
いつからか、教えてもないのに、雰囲気が悪くなったり、注意されるとニコニコするようになりました。
しかも口角の上がり方がキレイ…
そして、ニコニコしながら走り回ることもあれば、私に前からしがみついたり。
『緊張』や『不安』を他人に悟られないようにしているように見えます。
私だったら、緊張や不安では表情が固くなりますが、長男は逆です。
完全に、アダルトチルドレンで言う損でわかりづらいと言われる
「スケープゴート」タイプの子です。
しかし、極度に緊張する場面では、そのニコニコした表情は微笑むだけになり、身体がそわそわして動いてしまうようです。
先日行った眼科の先生が怖くて、緊張すると身体が動いてしまう長男は何度か注意を受けました。
そして表情は曇り、緊張感に溢れて、まるで虐待されている子どものように、微笑んだ表情で頑張って身体を静止して、先生の言うことをちゃんと最後まで聞きました。
(緊張が解けた後は脱力したり、不注意や過集中が起こりました)
こちらの記事に書いたように、空手教室の体験に行った際も、同様な行動と表情を見せていました。
威圧的な大人を前にすると、「ふざけてはいられない」気持ちと「どうしても動いてしまう身体」と、「繊細な心に深く刻まれた傷」をどうにかしないといけない狭間でゆれ動く子どもがいます。
私もエンパスなので感情がシンクロしてしまい、私と長男の感情の交差がとても辛く感じてきます。
損な性格その5『素直になれない』
長男は赤ちゃんの頃からとっても天の邪鬼な子どもでした。
自分の感情と反対のことをしたり、言ったりしてしまいます。
そして架空の『おばけいち』が出てきました。
『おばけいち』は、長男の分身体で、悪い事をした時は「おばけいちがやったの!」と言うようになりました。
(最近は言うのが減ってきました)
皆さんご存知の通り
「素直な人」の方が可愛いですよね。
「素直じゃない人」というのは本人の成長を妨げてしまう原因となります。
『人の指示を嫌がる』息子は、まぁ~人生苦労しますわね!
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まとめ
一人が楽なのに、一人はつまらないから嫌い。
完璧主義でプライドが高い、正義感は強いから不正がたくさんで残酷な世の中が怖い。
屈強で固すぎる意志と信念を持っているが、かなり繊細で敏感で脆い。
HSS型HSCなのか。
ADHDなのか。
はたまたギフテッド(タレンテッド)なのか。
親の関わり方を変えていけば、子どもは変われることもありますが、生まれ持った気質自体は変えることが出来ません。
損だなぁ、もっと上手くやればいいのに。
と思った私自身、上手くやれていませんでした。今も、もがいていますが。
子ども時代というのは、狭い世界の中で果てしなく永い時を過ごしているような気分で、「早く大人になりたい」と思う日々でした。
繊細さは無くならないけど、親が寄り添ってあげられれば子どもは何にだってなれます。
口うるさくならず、見守りたい。
話は心から聴いてあげたい。
褒めるのではなく認める言葉をたくさん掛けてあげたい。
そして、笑顔で育児がしたい。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
関連著書
HSCの子育てハッピーアドバイス HSC=ひといちばい敏感な子
- 作者:明橋 大二
- 発売日: 2018/06/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 作者:エレイン・N・アーロン
- 発売日: 2015/02/21
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モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 3歳 〜 12歳 の子ども対象
- 作者:島村 華子
- 発売日: 2020/04/17
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