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【心の理論テスト①】ASD/自閉症児の20%しか通過できないと言われるテスト【オリジナル】

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心の理論 誤信念課題 自閉症 自閉スペクトラム障害 ASD 発達障害

心理学において、子どもの心がどの年齢から発達するか研究されてきた一つに【心の理論】というものがあります。

【心の理論】についての問題は、保育士試験にも出るようなので、子どもに携わるお仕事のかたはご存知の方も多いと思います。

今回は、4〜6歳向けの【心の理論】の一次的誤信念課題を、かわいいフリー素材集 いらすとやさんのイラストをお借りして、私Riccaが作成しました。

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【心の理論】とは?

心の理論とは他者の心の状態、目的、意図、知識、信念、志向、疑念、推測などを推測する心の機能のことである。
(wikipediaより)

「わたし(ぼく)」と「他の人」の心に映し出される世界は違うことがわかるかどうか、ということを、「誤信念課題」と呼ばれるテストを使って、子どもが【心の理論】が発達しているかどうか調べます。

標準誤信念課題(一次的誤信念課題)は、3~6歳ごろの子どもに与えられ、他者の信念についての質問に正答することができた場合に、心の理論を持っていると結論される。一般的に4歳後半から5歳の子どもはこれらの課題に通過することができるが、3歳頃の子どもは自分の知っている事実に基づき答えてしまい、課題に通過することができない。

心の理論 - 脳科学辞典

心の理論の発達が遅れていると、他者が自分とは違う見解を持っていることを想像するのが難しいために、自分が知っている事実をそのまま答えてしまいます。


以下のイラストのストーリーを、お子様にわかりやすく読み上げてくださいね。

一次的信念課題その①サリーとアン課題

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よしこちゃんはキレイなビー玉で遊んでいました。

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よしこちゃんは、お散歩に行こうと思い立ち、ビー玉を★の箱にしまいました。

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よしこちゃんがお散歩に行った後、みどりちゃんはビー玉を♡の箱に入れてどこかへ行きました。

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よしこちゃんがお散歩から帰ってきました。またビー玉で遊ぼうと思い、開けた箱はどちらの箱でしょうか?

答えを聞いたあと、「なぜそのように判断したのか」を聞いてみてください。




一次的信念課題その②スマーティ課題

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女の子は男の子にクイズを出しました。
「この筒(箱)の中身はなんでしょう?」
男の子は「マーブルチョコ!」と答えました。

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女の子は「実は…えんぴつが入ってるの」と蓋を開けました。

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また蓋を閉じました。
すると向こうから太郎君(第三者)がやってきました。
女の子は男の子に「太郎君はこの中身は何が入ってるって言うと思う?」と聞きました。

男の子はなんと答えたでしょうか?


答えを聞いたあと、「なぜそのように判断したのか」を聞いてみてください。


①と②の答え


①サリーとアン課題の答えは「★の箱」です。

②スマーティ課題の答えは「マーブルチョコ」です。


この一次的誤信念課題は、4歳後半から正答率が大きく上がり、理由付けできるようになる年齢も徐々に上がっていきます。

とある研究では、小学校一年生(6〜7歳)で今回記載の一次的誤信念課題の通過率は86%ほどと言われています。

3歳頃では見たままの事実を答えてしまう(理解はしていても、つい事実を言ってしまうという、抑制機能が十分に育っていないという研究も)と言われています。

ところが、自閉スペクトラム症の子どもたちは、定型発達の子どもたちと違う答えを述べました。

心の理論と自閉スペクトラム症

自閉症児の通過率は20%と言われており、通過した20%の自閉症児達の言語精神年齢は9歳以上と言われています。

自閉症児が言語精神年齢が9歳2ヶ月以上になると【心の理論】を形成するようになることがわかっています。


研究では「なぜそう判断したのか」という言語による理由付けを求めました。

〈水準0〉わからない
〈水準1〉理由はわからないけど、なんとなくわかる
〈水準2〉答えもわかるし、理由も言える

定型発達児は、これらの段階を経て答えられるようになります。

しかし、自閉症児は〈水準0〉から〈水準2〉の段階まで飛ぶことがわかっています。(〈水準1〉で答える子どもが誰もいなかった!)

それは、定型発達の人が「直感的に相手の心や状況がわかる」ことが、自閉症の人には難しいからだと言われています。


自閉症児達も【心の理論】の発達は遅れていても、言語精神年齢さえ上がればきちんと発達していることがわかりました。

しかし、その「わたしと他の人の心」の理解は、定型発達児と比べて質が異なっているようです。


定型発達の4〜5歳児たちが「なんとなくわかる」ことを、自閉症児は言語理解を経由しなければ判断ができないことが、【心の理論】の研究の数々でわかりました。

そのため、言語精神年齢が高くなければ、この【心の理論】への理解が難しいのです。


参考文献:発達心理学研究2005 ,第16巻.第3号 、257−264原著
高機能自閉症児は健常児と異なる「心の理論」をもつのか:「誤った信念」課題とその言語的理由付けにおける健常児との比較
別府哲(岐阜大学 教育学部) 野村香代(名古屋第二赤十字病院)


さいごに

【心の理論】の一次的誤信念課題はいかがでしたか。
また続編も作成しますのでお楽しみに!

ここまでお読みいただきありがとうございます。


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